2017年6月1日木曜日

不完全だからこそ、できることがあるんですね



季刊誌「コトノネ」
Vol22
http://kotonone.jp/index.php

のぶっちゃけインタビューは、
豊橋技術科学大学の岡田美智男さんが登場しています。

岡田さんは、身体とコミュニケーションの関係性を研究テーマにされており、「弱いロボット」の開発者として知られています。

ロボットというと、人間ができないことをしてくれるイメージが沸きますが、
「弱いロボット」は、一人では何もできず、誰かの助けを必要とするロボット。
例えば、ゴミ箱ロボットは、よろよろと近づいてきて、ゴミを拾ってほしいというしぐさをする。ロボット自身はゴミを集められないが、見ている人がゴミを拾って入れてあげたくなる。
「弱いロボット」とは、自己完結していないロボット。
不完全だからこそ、周りの人から「助けてあげないと」という気持ちを引き出し、
人の働きかけを引き出して、目的を達成してしまいます。

コトノネのインタビューの中で、
岡田さんは、「身体やコミュニケーションはそもそも不完全なんです。それでも僕らが何も不自由を感じないのはなぜかっていうと、その不完全な部分を周りに補ってもらって完結させている。なら、ロボットも必ずしも自己完結する必要がないんじゃないかな」と考えて、弱いロボットをつくりはじめたと話しています。

不完全さがあることで、人が介在する余地が出てくる。
そのことに意味や価値がありますね。

私自身を振り返ると、学校では「自分でできることを、できるだけ増やそう」と教えられ、
仕事においても、「より多くのことを、より効率的に、精度よくこなす」ことを求められてきたように思います。

「弱いロボットのような存在があるからこそ、生みだせるものがある」と心のどこかで思いながら、言葉にすると曖昧になりがちでした。

目に見える形で存在する「弱いロボット」は、曖昧だったものを説明してくれる気がして、頼もしいです。


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