2018年9月26日水曜日

本当に伝えたいことを、どう伝える?#映画#500頁の夢の中

最近、観に行った 映画「500頁の夢の束」

この映画は、自閉症のウェンディが、スター・トレックの脚本コンテストに応募する過程を描いています。

彼女が、なぜ、脚本を書いたのか。

観客は、映画の終盤で、その理由を知ることになりますが、

私は「ああ、文章を書くことの本質って、こういうことなんだなぁ」と思いました。

簡単にいうと、「誰かに、何か、伝えたいことがある」ということです。

この映画は、自閉症を持っている主人公ウェンディよりも、

彼女をサポートする人たちや、家族に焦点を当てています。

特に、ウェンディの姉、オードリーの心の揺れが描かれていて、

それが、この映画で描きたかったことなんじゃないかと感じています。

500頁の夢の束 #映画好きの人とつながりたい

2018年9月20日木曜日

スポーツノンフィクションの傑作がずらり。平成生まれの子は知らないかもしれない、あの名選手たちの物語。それでも、たぶん十分に面白い。#肉体の鎮魂歌





「肉体の鎮魂歌」(増田俊也・編)は、沢木耕太郎の「三人の三塁手」、山際淳司の「江夏の21球」などなど、スポーツノンフィクションが好きな方なら、「あぁ、あの名作ね」と思われる作品が収録された本。

作者が異なるスポーツノンフィクションを1冊で読めるのは、美味しいモノが少しずつあれこれ入っている豪華な幕の内弁当のようです。

「三人の三塁手」は、プロ野球・読売ジャイアンツの長嶋茂雄と、長嶋がいたことによって運命が変わった三塁手2人に注目した作品。

そして、「江夏の21球」は、日本一をかける試合で投げた広島カープの江夏豊に注目した作品です。

広島が1点リードで迎えた9回裏の場面
マウンドにいる投手・江夏が、何を感じていたのか。
日本一につながる21球に、ぎゅっと焦点を絞って書かれています。

最初に手にとったのは、私がまだ学生の頃で、さらっと読んでしまったのだけど、
それから何度か読み返すたびに、読んでいる自分の年齢が高くなっているせいか、
しみじみと味わい深く感じるようになりました。

「昭和」の雰囲気というか、
「スポーツといえば、野球」であり、
テレビでもナイター中継していた時代が少し懐かしくなります。

この本で初めて読んだのは、高山文彦の「遥かなる祝祭。―吉村禎章の奇跡。―」
この作品、良かったです。

試合中にチームメイトとの衝突により大怪我を負った読売ジャイアンツの吉村選手が復活し、代打で活躍し、やがて引退を迎える話を書いています。

吉村選手が自身の怪我をどう捉えて、復活へ向けて歩んできたか。

再起し、代打で活躍し、やがて迎える引退に、周囲の人々はどんな対応をしたのか。

一方で、将来有望と期待されていた吉村選手に大怪我を負わせてしまった選手が、どんな思いで、吉村の復活や引退を観ていたか。これは、この作品の核になっています。

光と影とか、
栄光と挫折とか、
そんな一言、二言では片付けられないから、

著者それぞれ、自分が焦点を当てた一つひとつ丁寧に書いている。

選手や競技に対する著者の熱気が、行間から滲み出てくるような気がします。

スポーツノンフィクションをまだ読んだことがない人にも、お勧めです。


#肉体の鎮魂歌#読書#読書好きな人と繋がりたい

肉体の鎮魂歌(レクイエム) (新潮文庫)







2018年9月18日火曜日

安室ちゃん引退と、希林さんご逝去、2つの芸能ニュースから、ふと考えたこと。

#soin cafe #上田市#茶色#ワークショップ


安室ちゃんは、引退して、ようやく、自分らしく過ごせる時間を持てるようになったのかな

樹木希林さんは、亡くなる瞬間まで、自分らしく過ごされたのか。

週末の芸能ニュースから、そんなことを、ふと考えました。

1日24時間は、誰にでも平等だけど、その時間を、どう積み重ねていくかは、人それぞれ。

時間に流されてしまいがちだけれど、時々は、自分の時間の使い方を考えてみたいです。

楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまいます。

もっと時間がほしいけれど、時間があるときには、意外と上手く使えてなかったりします。

だから、ちょっと忙しいなぁと思っているくらいが、実は、ちょうど良い気がします。

楽しいことをするために、他の用事をいかに効率よくこなすかを考えられるなら、

それは、余裕があるってことかもしれません。

忙しいとき、そうでないとき
楽しいこと、辛いこと、
考えているとき、何も考えていないとき、
ちょうどよい按配、バランスを保ちながら、すごしていけるといいのだけれど。


2018年9月14日金曜日

「旅×アジア」の読書本 #読書会#西荻窪#旅


ゆるっと読書会(929日開催予定)の次回テーマは「旅」です。

参加者は、自分の「旅」に関係する本を1冊、持ち寄ることになっています。

さて、私は、どの本を選ぼうかな。いろいろ考えているところです。

さしあたり、これまで読んだ本のなかで、身近な国、特にアジアの国や歴史などに関する興味を駆り立ててくれた本を思い出してみました。

まず、沢木耕太郎さんの「深夜特急」は王道ですね。
そのほかにも、まだまだありそう。
「旅×アジア」で、まず、思い出した本は、次のとおりです。
ずいぶん昔に読んだ、懐かしい本もあります。


「アジアスケッチ」(高山義浩・著)

ASIAN JAPANESE」(小林紀晴・著)

「あの戦争から遠く離れて」(城戸久枝・著)

「日本を捨てた男たち」(水谷竹秀・著)

2018年9月6日木曜日

自分には関係ない、悪いのはアイツ。それが危険 #世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい



オウム真理教の信者たちを被写体にしたドキュメンタリー「A」「A2」をつくった森達也さんの著書「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」。

この本の中で、森さんが繰り返し書いているのは、オウム真理教の信者たちのほとんどが善良で、穏やかで、純粋な人たちであるということだ。

しかし、そういう善良で穏やかな人たちが、「組織」を作った時に、何かが停止して、暴走することがある。
そして、穏やかで善良な人たちが、限りなく残虐になれる。

「組織」といえば、「学校」や「企業」が思い浮かぶ。
小さな単位では「家族」もそうかもしれない。
森氏は、組織に属する限り、善良で穏やかな人が残虐になる可能性(リスク)を、どこかに抱えているという。

重大な事件や犯罪が起きると、犯人の成育歴や動機を探ったりする。
自分とは「別の」人間であることを確認して、安心するのだと思う

自分には関係ない。
悪いのはアイツ。アイツのせい。
そんなふうに考えて、
それ以上の思考を停止をしてしまうのは、とても危険だと感じている。