2018年6月22日金曜日

それを選ぶには、理由がある #市場#付加価値#モチベーション



ほしい商品を同じ値段で購入できるお店が2つ並んでいた時、
どちらのお店で買いますか?

他の商品もついでに買いたいから、品ぞろえがよいお店に入りますか?
それとも、店員さんの雰囲気で決めますか?

実際の店舗ではなく、インターネットで商品を買う場合はどうでしょう。
価格と品物が同じだとすると、なかなか決め手が見つかりません。
過去に購入した人のレビューを参考にするくらいかな・・・。

読みたい本を、インターネットの古本屋さんで買おうと思い、
同じくらいの価格で販売している業者が複数あるとしたら、
私は、「バリューブックス」を選びます。

寄付の取り組みをしていることや、
長野県の上田市内にブックカフェ「NABO」をつくっていることとか、
会社の関係者の方を個人的に存じ上げていることなど、
いくつか理由がありますが、
最近、新たにできた理由は「納品書の裏書き」を楽しみにしているからです。

注文書の本が届いた時、一緒に入ってくる納品書。
納品した書籍や値段が間違いないか確認するための紙ですが、
その裏の紙面を活用して、本を2冊、紹介しています。
ちなみに「納品書の裏書き」1号で紹介されていたのは
マーシャ・ブラウン著の「目であるく、かたちをきく、さわってみる」と
谷川俊太郎さんと尾崎真理子さんの「詩人なんて呼ばれて」でした。
すみのほうに「納品書の裏書き」執筆を担当している社員・飯田さん(会ったことはないけど)のつぶやきも掲載されています。

これを作るには、担当者が本を選び、文章を書き、印刷するというひと手間、ふた手間が
必要になるはずです。他のお仕事に加えて、「納品書の裏書き」をつくっているとしたら、担当社員さんにとっては、以前よりも仕事が増えたことになるかもしれません。

でも、「納品書の裏書き」を手に取り、読んだ人は、その紙面から受け取るものがあります。

「本の魅力を伝えよう」
「お客さんの選書の参考にしてもらおう」
「社員からお客さんへのメッセージも込めよう」
「購入のお礼状の代わりにしよう」
こんな思いが載せられている「納品書」は、付加価値がついています。

その付加価値を知っている人は、
インターネットで本を探していて、バリューブックスに在庫があると分かったら、
ポチッと購入ボタンを押すかもしれません。

選ぶには、理由がある。
その理由をどう作るか。
商品、サービス、集客、ファンづくり、ブログ閲覧数・・・
などなどに共通する課題に触れるものだと思います。

#モチベーション#顧客満足#市場

2018年6月18日月曜日

あの時、ショックを受けた理由は? そこに転機がある。#青年団#平田オリザ#日本文学盛衰史






ショックを受けた経験、後から、しばしば思い出すことがあります。
ショックを受けて、心が傷ついたり、辛かったり、恥ずかしかったり、
いろいろなことがありますが、
後から振り返ると「転機」になっていることが多いからです。

なぜ、「転機」になったのか。
その前と、その後を、比較すると、大きな変化があり、奥深いです。

私がショックを受けた経験の一つに、
平田オリザさんの青年団の舞台を観に行ったことがあります。
20代、社会人になったばかりの頃、
何がきっかけだったか分かりませんが、青年団の舞台を観に行って、
幕が上がって、役者さんたちが出てきて、「始まった!」と思った瞬間に、
ものすごく揺さぶられたんです。

理由は、「演劇って、こういうものだ」と思っていたものが、ガラガラと崩れたから。

その経験を通して、
自分が「こういうもの」と思っている世界が、
実は、とても限定されていること、
既成の概念に縛られていたりするものだと気がつかされました。

この気づきは、
演劇だけの話じゃなくて、
例えば、「働き方」だったり、「人間関係」の話にもつながってくることだったから
印象に残っているのかもしれません。

もっと自由でいいのではないか?
「無理だ」とか「できない」と思っているのは、自分なのではないか?
そんなことを考えるきっかけになりました。

時は流れて、久しぶりの青年団。

原作:高橋源一郎 作・演出 平田オリザ 
青年団の公演「日本文学盛衰史」
http://www.seinendan.org/play/2018/01/6542
吉祥寺シアターを観に行ってきました。

日本文学、知っています? 私は、ほとんど知らないです。
夏目漱石とか、川端康成とか、森鴎外とか、
教科書でちらほら出てきた作品を読んだことがあるくらい。
誰が、誰に影響を与えたとか、そういう「歴史」的なものは、もっと知らない。

それでも、青年団の舞台は、十分に楽しめました。

私は原作を読まないで観に行ったんですが、
読んでいたら、もっと面白かったかもしれない。

読んでいない人は、
観劇した後に、高橋源一郎さんの原作を読みたくなるかもしれません。

日本文学の作家や作品を、時間軸を立てて眺めてみるのは、面白そうです。


2018年6月13日水曜日

「パフォーマンス」を上げるって、そんなに簡単にできるもの? #インプロ#パフォーマンス

#6dim#インプロ#浅草


「パフォーマンス」という言葉、いろいろな場面で使われます。

例えば、スポーツで、最高の「パフォーマンス」といえば、
サッカーではゴール前で絶妙なパスを出してシュートが決まるとか、
野球の2アウト満塁の場面でピッチャーが三振をとる投球をするとか、
そんなシーンが浮かびます。

ビジネスで「パフォーマンス」といえば、
短時間でやるべき仕事を済ませるとか、効率的に仕事をして業績を上げるとか、
費用対効果が高いイメージが沸いてきます。

お芝居や音楽のライブなどでも使われていて、
パフォーマンスといえば、観客が盛り上がるような表現になるかもしれません。

スポーツであれ、ビジネスであれ、演劇や音楽であれ、
「最高のパフォーマンス」が理想であり、目標の一つになっています。

先日、6dim https://6dim.com/ によるインプロ(即興芝居)の舞台を観て、
「パフォーマンス」について、改めて考えさせられました。

台本はなく、打ち合わせもなく、ただ、舞台に登場して、観客から出された短い言葉やフレーズを素材にしてお芝居をする「インプロ」。
一緒に舞台に立っている相手が、どんなことを言うかは、事前には分かりません。
舞台の上で、役者さんは、相手から投げられた言葉を受けて、自分の中から沸いてきた言葉や体の動きで返していきます。互いに相手が発した言葉の力に乗っかっていくと、笑いや感動がおこることがあり、一人で空回りすると、「無理!」「もう1回!」と仕切り直しになることもあります。何が起こるか誰にも分からないからこそ、役者さん同士、観客も交えて、皆が一体となって舞台を楽しいものにしようとする空気も生まれるのだと思いました。

インプロのお芝居では、「こうすれば、上手くいく」という絶対的な方法はないのだと思います。
どんな環境におかれても、どんな出来事が起こっても、それを受けとめられる自分をつくっておく。そして、自分が思ったこと、感じたことを自然に発することができる状態をつくっておく。それが、結果として、より良い「パフォーマンス」につながるのだと思います。

スポーツも、ビジネスも、同様で、

「パフォーマンス」は「上げよう」と思って、「上がる」ものではなく、

「パフォーマンス」にいたるプロセスで、いかに自分を整えるかに依るのかもしれません。


#コーチング#自分掘り起し#インプロ#即興#パフォーマンス

2018年6月5日火曜日

スポーツも、テレビも、根源は同じ問題? #スポーツの品格



元・プロ野球選手の桑田真澄さんと、佐山和夫さんの著書「スポーツの品格」のイントロ部分に、次のようなことが書かれていました。

『スポーツとは、正々堂々とフェアに戦うものです。いわゆる「暴力」からは、いちばん遠いものでなければならない。(中略)指導者だから、先輩だから、という理由で、理不尽な行為が許されていいはずがない。僕の原点にあるのは、そういう強い思いなのです』
『スポーツの世界は、どんどん進化しています。競技自体のレベルも進化しているし、スポーツ医科学の知見も進化しているし、道具も進化している。唯一、進化していないのが、指導者が若い選手に接する際の指導理念なのではないかと思います』

この本は2013年の発行ですが、桑田さんのご指摘、
最近、話題になっている「日大のアメフト問題」にも通じる指摘だと思います。
ただ、この問題を繰り返し取り上げている、テレビ番組を見ていると、
番組を通して、一体、何を伝えたいのかが分からなくなりました。

番組制作者は、「とにかく視聴率取れればいい」ってことなのかなと思い、
「相手の選手を潰しても、勝てればいい」という指導者と、
「なんでも視聴率取れればいい」というテレビ番組製作者は、実は、同じなのでは?
と考えたりします。

指導理念が欠けている
指導理念が間違っている。
スポーツの分野で、そんな現状があるとしたら、どうやってそれを改善するか。
進化の遅れをどうやって取り戻すか?
そのプロセスを考えるうえで参考になるテレビ番組を観たいです。

スポーツの品格 (集英社新書)