2019年1月24日木曜日

「have」と「do」と「be」 自分の人生を考える時に焦点を当てたいもの #読書#続・ゆっくり、いそげ




「続・ゆっくり、いそげ」(影山知明著・クルミド出版)の中で、とても印象に残ったのは、「have」と「do」と「be」の説明です。

影山さんによると、人は、幼いころ、「〇〇がほしい」「〇〇を手に入れたい」と「have」で人生の目的地を考える。

少し大人になると、「〇〇をしたい」など、自分の人生の目的地を「やりたいこと(do)」で考えるようになる。夢や目標を問われて、自分が本当にやりたいことは何なのか、を悩んだりする。
夢や目標に向かって、doを継続していく中で、成長することがある。
ただ、夢や目標が達成できない間は、ずっとdoをし続けることになる。

これに対して、「be」は、今、ここにいる私に焦点を当てるものだ。
著者の影山さんは、beを根っこのように捉え、doを樹形のように捉えている。

この説明を読んで、将来へのビジョン(目的)や、目標を考えるとき、haveやdoばかりを頭に浮かべていたことに気が付きました。
「have」や「do」を考える前に、まず、その基盤となる「be」を自分自身に問いたいものです。
「自分が、どうありたいか」を考えると、「ほしい」「やりたい」ものの中に、別になくてもいいもの、取り組まなくてもよいものがあることに気が付きます。すでに手に入れているものがたくさんあることに気がつき、それを活かして、次の何かをしようと思えてきます。

おそらく、「be」は、自分自身に焦点をあてて考えるのに対し、「have」や「do」は、誰かと比較して考えることが多いのかもしれません。

2019年1月16日水曜日

知らなかった! フランケンシュタインって、女性が書いたの?

#メアリーの総て#映画


「フランケンシュタイン」って、博士が怪物を作ってしまう怖い話。
そういうイメージがついていて、そもそも手に取ったことがなく、
読んだことがない小説でした。

でも、著者が女性だと知って驚き、
俳優の竹中直人さんがお勧めされていたので、
映画「メアリーの総て」、観てきました。

この映画は、「フランケンシュタイン」を書いた著者メアリーの物語です。
なぜ、彼女が怪物が生み出される話を書いたのか、その背景が描かれています。

医学部の合格者に男女の差を設けていたことが発覚したのは、ついこの間のことでした。
社会の中に存在する「差」に、もやもやする気持ちを感じたことがある方、
特に、自分の胸の中に暑い情熱を抱いている女性は、メアリーに共感できそうです。

「フランケンシュタイン」の話が、実は奥深いのだと知り、こちらは一度、手に取って
じっくり考えながら読んでみたいです。

「メアリーの総て」

このほか、最近、観た映画は下記の2つ。 

「彼が愛したケーキ職人」
人間関係が複雑で、話もドロドロなはずなのに、爽やかさを感じさせる映画。
なんといってもスイーツがおいしそう。ドイツとイスラエルの風景が美しい。
愛も、性も、食も「欲」であるってことかなと納得でした。

「アイ フィール プリティ 人生最高のハプニング」
容姿にコンプレックスを抱える女子たちのための、元気が出る映画。
頭を使わずに楽しみたい人にお勧めですが、笑えるだけじゃなく、自分が何にとらわれているかを気付かせてくれる作品です。

2019年1月9日水曜日

頂点を目指さない。成果を先に定義せず、プロセスに注力する #続・ゆっくり、いそげ




△(ピラミッドの形)=成果を先に定義し、そこへ最短距離で行こうとする。
一人ひとりは、組織の部品のように扱われる。

▽(木の形)=成果を先に定義せず、その過程に注力する。
       一人ひとりが、それぞれのいのちを最大限に発揮する。
個人の集合体としてできる社会・組織。

「続・ゆっくり、いそげ」(影山知明・著、クルミド出版)のまえがき。
△の考え方が主流を占めている社会・組織を、▽の考え方に基づく社会・組織にしていこうという提案です。

個人の在り方、組織・社会の成り立ち方を、△と▽という図形で示されたことで、
自分自身がこれまでの人生の中で、△(ピラミッド)型の組織・社会と個人の在り方に馴染んでしまってきていることが分かりました。

個人が尊重され、多様な在り方が認められる組織・社会の在り方を望んでいるのに、
仕事をしている中で、活動をしている中で、△型の思考に陥っていることが多い気がします。

▽型の組織・社会を実現するためのプロセス、アクションて、具体的にどういうものになるのだろう?

つど都度、立ち止まり、確かめながら、実行していくことが大事なんだよね。

#クルミド出版#続・ゆっくり、いそげ


2019年1月7日月曜日

変わらないために、変わり続ける


「変わらないために、変わり続ける」

生命は、吸収と排出、破壊と創造の流れの中で平衡を保って存在する。
一定の状態で止まっているのではなく、常に動いている。
大きく変わるために、小さく変わり続けている。
今年の年賀状には、福岡伸一先生の「動的平衡」の概念を使わせていただきました。

昨日の私と、今日の私が、まったく別人になるような変化はないけれど、
完全に同じというわけでもない。

小さな小さな違い、変化はある。
その変化をどういうものにするか。
それが、「生き方」なんだろうなと思ったりします。

私は今日から仕事はじめです。
2019年、よろしくお願いします。

写真は、Okatteにしおぎメンバーさんによる手作りおせち。
私は、にんじんをお花に切る技術を教えていただきました。





2019年1月4日金曜日

書く人、刷る人、売る人、読む人、「本」に携わるすべての人に読んでほしい1冊 #本を贈る#三輪舎



読書家の友人から、プレゼントされた1冊。
贈られた本のタイトルは、「本を贈る」でした。

「本をつくる仕事に携わっているので、この本の執筆者の気持ちがすごく分かると思う」
という推しの一言も頂いていました。

書籍の制作管理部門に配属されていた頃、紙や印刷、製本の原価計算をしていた経験があるので、本の装丁を見て、なんて丁寧なつくりの本なのだろうと惚れ惚れ。
「気合い」というか「魂」のようなものが入っていることが伝わってきました。

本から漂う気配と、友人の一言を受けて、「大丈夫かなぁ、私」と若干、心配に。
私は、自分が好きなことを文章に書くのは好きだけど、本という一冊の形にまとめあげる編集は得意ではないし、校正もできれば専門家に任せたいほうです。
文章を書くのと、本を読むのは好きだけど、本づくり全体に情熱を持っているかと問われると、それほどでもないような気もします。

この本に寄稿した著者たちの気持ち、分かるかなぁ。響いてくるかなぁ・・・。
などと思いながら、読み始めました。

結論からいうと、友人の「読み」はドンぴしゃり。
本に携わる著者それぞれの思いや気持ちが詰まっていて、
私自身も、「あぁ、こんなふうに本に携わっていきたい」と思いました。
改めて、自分の仕事の在り方を見直す機会になりました。

本書は、著者、編集、校正、装丁、印刷、製本、営業、取次、書店員、本屋という、
本が生みだされる過程に携わる人や、生まれた本が読者のもとに届くまでの過程に携わる人、計10人のエッセイをまとめています。

一つひとつのエッセイは、著者の言葉が活き活きしています。
本に携わる中で培った経験とか、実感とかを踏まえて語っているので、
文章が「身から出た言葉」から成っている気がします。

本を取り扱うすべての人に読んでほしい1冊。
もちろん、本を読むのが好きという人にもお勧めの1冊です。

本を贈る