2020年4月27日月曜日

外出自粛の大型連休、自宅でじっくり見たい映画




「精神」(2008年)という映画を初めて見た時、ものすごく大きなショックを受けた。

精神の病を患う人の表情が、スクリーンに映し出される。

そのことが、私自身にとって「普通」ではなかったことに気がついたからだ。

そして、映画に登場する、精神を患っている(はずの)人がとても「普通」に見えた。

テレビ番組で、精神を患う人は、なぜ顔を隠さなければならないのか。

精神を患う人が地域で暮らすことを難しくしているのは何なのか。

映画を見ながら自問していた問いは、

ラストのシーンで、私の頭の中からすべてすっ飛んだ。



ガツンと一発殴られるような、

胸に杭をぶち込まれるような、

そんな終わり方だった。

あれから10年以上が経過して、「精神0」が製作されたという。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、劇場は閉じられているため、

5月2日から「仮設映画館」で公開されるそうだ。

患者さんを診ていた、あの医師の引退を映したという。

これは、ぜひ、観たい作品。

仮設映画館
http://www.temporary-cinema.jp/seishin0/


2020年4月26日日曜日

外出自粛の大型連休で読みたい1冊 



外出自粛で迎える大型連休。

誰かにお勧めするなら、

次の展開がどうなるのか?わくわく、どきどきするような本のほうが向いてるかもしれません。

アガサ・クリスティーのポワロ、コナンドイルのシャーロックホームズなど、名探偵が出てくる小説が好きな方に、

特にお勧めしたい1冊が「カササギ殺人事件」。

上巻では、殺人事件の謎解きを名探偵とともに楽しんで、

下巻に入ると、上巻のストーリーの外側に、もう一つのストーリーが展開しはじめて、

面白さが倍増。楽しめます。

2020年4月20日月曜日

【歩く】歩くことって、奥深い



古本屋さんで見つけて、装幀の美しさと、最初の数ページに目を通して、即買いを決めた1冊

ヘンリー・ソローの「歩く」

講演のエッセイなので、ソローのお話を聞くような本でした。

人間と、社会と、動物と、自然と、生きること。

「歩く」をテーマに、それらについての考えが語られていきます。


『何よりも私たちは今を生きないわけにはいきません。

過去を思い出しながら過ぎ去りつつある今の生の瞬間を見失う、

そうしたことのない人こそ、本当に幸せな人です』

ソローの語りの一節です。


生きている「今」を大切にする

そのことを、ついつい忘れてしまい、過去や未来のことを考えてばかりいるのではないか。

そんな問いが浮かんできました。


ソローは1862年に亡くなっており、晩年のエッセイなので、今からずいぶん昔に語られたことのはずですが、

まったく古くない。

時代は変わっても、大切なことは変わらないのかもしれません。


人と接触しないで、軽く身体を動かそうと、なるべく「歩く」ようにしていて、

お天気が良いと、ストレス解消にもなったり、歩くことの効用を実感していました。


「歩く」という行為を突き詰めて考えていくと、「生き方」みたいなものにつながっていくように思い、


とても興味深かったです。

傍らに置いておいて、時々、開いて、読み直したい1冊です。