2017年8月22日火曜日

自己満足に浸っていていいですか?


自分が手掛けた仕事、
自分がつくったもの、
自分が取り組んだこと
それらについて、満足する。

他人の評価など気にせず、
自分で自分を誉めあげる。

自己満足は、とても大切だと思います。

でも、
「ずっとそれでいいのか?」というと、
そうでもない気がしてきます。

自己満足とは、
自分が持っている評価のものさしで測って「満たされた」という状態なので、
どんなものさしを持っているかによって、満足度は異なります。

世間しらずだったりしたら、
ささやかな仕事を「大きな仕事ができた!」と勘違い
してしまうかもしれません。

「良くできた!」「成し遂げた!」と思っていたことを、
冷静になって振り返ると、
「あれは、独りよがりの満足だった」
と思うものもあるかもしれないです。

自分一人で完結するものなら、自己満足だけでよいですが、
仕事とか、コミュニケーションとか、他人と関わりを持つものは、
それだけではダメですね。

自分以外の他人の満足も見据えた形で取り組まないと
うまくはいかないと思います。


木村俊介さんが、寄藤文平さんに聞き書きしてまとめた著書「デザインの仕事」は、
デザインに関わる仕事だけではなく、「仕事とは何か?」とか「物にはどんな見方があるのか?」「人に伝わる・伝えるためには、どうしたらいいのか?」とか、さまざまなテーマを考えさせられる本です。

寄藤さんは父親の影響を強く受けており、
本書では、「絵(デッサン)」に関して、
父親と口論になった経験から気が付いたことを紹介しています。

芸大生は、若いこともあり、
自分の作品は思い入れがあるため、
作品に感情移入してしまいがち。
「この作品こそ、俺だ」とでも言ってしまいそうなくらい
感情を入れてしまうことがある。

しかし、
寄藤さんは、父との口論の経験から、「・・・いや、待てよ」と考える癖が
身に着けていた。作品と自分との間の距離感をとることができていた。

社会にでてから振り返ると、もし、作品と自分の間の距離をとれていなかったら、
「それは危険なことだった」と寄藤さんは言います。

つまり、自分の仕事(作品、活動など)について、感情移入しすぎない。
少し冷静な視点で客観的に眺める視点を持つことが大切。

自分の仕事を、主観と客観を行ったり来たりしながら眺めてみようと思いました。






2017年8月3日木曜日

【一度は行きたい美術館】その美術館に行くのは、覚悟が要ると思っていました。でも、 行って観て感じたものは、予想とは異なり、日頃の生活の中で価値あるものを見過ごしてしまっているのではないかということでした。




「一度は、行っておいたほうが良いですよ」

長野県上田市で、地元の方からお勧めされた美術館がありました。

美術館を訪れるのは好きなので、お勧めがあれば、
さっそく足を運んでみるのですが、
その美術館は、そうではありませんでした。

気持ちが重くなり、足が向かなかったのです。

お勧めされたのは、「無言館」。
戦没画学生慰霊美術館だと聞きました。

覚悟というか、気合いを持たないと
観に行けない気がしました。

その美術館に飾られている絵画を観て感じるものを、
ちゃんと受け止められるか。怖かったのです。

「お勧め」されてから
ずいぶん月日が過ぎてしまいました。

ところが、つい先月
上田を訪れた際に、
「無言館に行ってみよう」という気持ちが沸いてきました。

自分を見つめ直す節目かもしれない。
無言館に行くなら、今かもしれない。
そんな気がしたのです。

無言館の建物は、灰色の鉄筋コンクリートで重々しく、
入館する前に、少し緊張しました。
 思い切って扉を開けると、すぐに展示が始まります。

戦争で命を落とした美術学生たちの絵画と、
その絵画の下に、解説として書かれている、
描いた人にまつわるエピソードを読んでいきました。

入館前に抱いていた不安や緊張は、
次第にほぐれていきました。

画学生が遺していった絵画には、
彼らが生きている間に、
目で見て、感じていたものが表わされており、
その一つ一つが輝いて見えたからだと思います。

馴染みのある風景
家族の姿や表情
そうした何気ない場面の美しさ、
素晴らしさがひしひしと伝わってきて、胸を打たれました。

私は、価値あるものを、見過ごしてしまっているのかもしれない。
改めて、そんなことを考えさせられました。

「一度は、行っておいたほうが良い」

私も、やっぱり、お勧めします。

【無言館】

2017年8月1日火曜日

【世界一訪れたい日本のつくりかた】気がつかないことに、気がつかされる


デービッド・アトキンソン著の新刊
「世界一訪れたい日本のつくりかた」は、
日本の観光産業の戦略について提案した書籍です。

外国人観光客に訪れてもらい、宿泊や飲食、レジャーなどにお金を落としてもらう。
観光産業は今、大きな産業で無視できない金額になっている。
日本は、世界の国々の中でも、観光で勝負できる潜在能力を持っている。
だからこそ、現状を分析し、今後の戦略を練って、実践すべきだ。
というのが著者の主張の前提にあります。

本書は、「実践編」という副題のとおり、
誰に(世界の国々のなかでも、特にどの国の人に日本に観光に来てもらうのか)
何を(観光といっても内容は様々。文化なのか、自然なのか)
どのように伝えるか(情報発信というけれど、その内容や方法など)
を具体的に提案しています。

国別の観光客の人数や、観光に使っている金額などの分析は、興味深く、
日本の現状を考えると、改善の余地がたくさんあるように思えてきました。

本書を読んで、私が改めて感じたのは、
異なる立場や背景、経験を持った人の視点から、学ぶものは多いということ。

日本で生まれ育っていない人のほうが、
日本の良いところ、悪いところに良く気が付いていたりしますし、
個人レベルでも、海外旅行をして帰国した時には、
日本の良さ悪さを改めて感じたりします。

反対の意見や提案を出された時、
「素人のくせに、偉そうに言うな」みたいなことを口にして、
意見を封じる人がいますけれど、もったいないですね。

「知らない」「経験がない」という人の視点や意見には、
しっかり耳を傾けられるようにありたいです。

自分の見えていないことに気が付かせてくれる気がするからです。