やっぱり、谷川さんの作品、好きだなぁ。
2021年12月8日水曜日
母娘の関係、こういうことってあるよねって思い出す1冊
やっぱり、谷川さんの作品、好きだなぁ。
2021年10月30日土曜日
【目の見えない白鳥さんとアートを見にいく】新しい美術鑑賞方法ではなく、自己発見の方法
2021年10月24日日曜日
【その女、ジルバ】「生きていく」こととは?
「ドラマ、見ました?」
お会計をしてくれた店員さんが、話かけてきた。
そのお店にはよく、足を運んでいるが、店員さんから話しかけられたのは初めて。マスクで顔が半分隠れていることもあって、最初は、自分に話しかけられたことが分からなかった。
私が購入したのは、「その女、ジルバ」という漫画。全5巻の漫画の大人買い。
NHKのラジオで、作家の高橋源一郎さんが紹介していて、気になっていたのだが、偶然、古本屋さんにセットで出ているのを見つけたのだった。
店員さんは、店頭に出したばかりだった漫画を、私がすぐに購入したので、「ドラマを見た人かな?」と思って話しかけてきたようだ。
質問されたことが分かり、NHKでドラマ化されたことは知っていたが見ていないこと。ラジオ番組で紹介されて、ずっと読みたいと思っていたこと。
古本屋さんで、かなりリーズナブルに全巻セットを購入できてラッキーと思っていることを店員さんに伝えて、そのお店を後にした。
「その女、ジルバ」は、40代に突入した主人公が、高齢のホステスのみがいるお店に飛び込むところから物語が始まる。
お店に飾られている、初代ママのジルバが、どんな人だったか。
ブラジル移民、戦後、彼らにどのようなことが起こったか。
日本に引きあげてきた人、引きあげなかった人。
私が知らない歴史の一端が描かれている。
一方で、主人公の故郷・福島、東日本大震災の後の今を生きる人々も描かれる。主人公は、デパートの売り場から倉庫へ担当が変わり、独身で彼氏もいない。
40歳、これからどう生きていったいいか。不安や悩みを抱えているのだが
ジルバのお店で高齢のホステスやマスターの話を聞くうちに、変わっていく。
ブラジル移民や終戦後の混乱時に起きた出来事など、知らない歴史がたくさんあることも知った。
「生きていく」ということについて、しみじみ考えさせられる漫画。
【小さな声、光る棚】面白いと思うのは、その人が垣間見える時
エッセイを読んでいて、私が面白いなと思うのは、著者がどんな人かイメージが沸いてくる時、著者の人柄が滲み出ている文に出会った時である。
エッセイは、著者がどのような物事に注目しているか。どのような視点でそれを捉えているか。また、テーマについてどのように論理展開をしているかなど、その人の視点や考え、価値観が反映されるものだと思う。
ただ、同じ著者が書いているものエッセイでも、これは面白かったなぁと記憶にしばらく残っているものと、読んですぐに忘れてしまうものがある。
荻窪の書店「Title」(タイトル)の店主、辻山良雄さんの著書「小さな声、光る棚」の中で、私が一番面白いなぁと思ったのは、『父と「少年ジャンプ」』だ。
著者が父親に対して、どう思っていたか。
その見方に、変化がある。
著者と、父との間に、漫画雑誌「少年ジャンプ」が存在する。
「少年ジャンプ」が、器用とはいえない2人の関係を繋いでいたことが感じられて、じーんときた。
2021年10月13日水曜日
「まなざし」「まなざされる」と「見る」「見られる」
アトリエみつしま企画展「それはまなざしか」が、 10月1日(金)~2021年10月31日(日)を開催中とのこと。
2021年10月10日日曜日
【死にたいけど トッポッキは食べたい】自分を愛することは難しい
そんな矢先、今度は、同じく韓国料理の「プルコギ」(お肉と春雨、野菜などの甘辛い味のお料理)の「コ」の発音は「ゴ」のほうがネイティブの発音だと教えていただいた。 ただ、こちらの表記は、「プルコギ」「プルゴギ」両方使われているようだ。カタカナ、難しいね。
トッポッキも、プルゴギも、大スキ(^^♪ なのだが、自分では作ったことがない。 コロナで韓国料理のお店にも食べにいけていないから、恋しくなってきた。あぁ、食べたい。
韓国料理について考え始めたきっかけは、1冊の本「死にたいけど トッポッキは食べたい」(ペク・セヒ著)だった。
タイトルの「トッポッキ」に目が留まり、「あ、私も食べたい」と思ったのだ。でも「死にたくはないけどね」と心の中でつぶやきながら、古書店の棚の前で手にした。
タイトルの捻りと、この表紙から、どんな本なのだろう?と興味が沸いた。 そして、パラパラとめくりながら、タイトルと表紙から想像していたものよりも、ちょっと深そうだと感じて購入した。
この本は、軽度のうつ病を患った著者が、医師とやりとりした内容をまとめたものだ。著者と医師とのやりとりは、いわゆるカウンセリングを傍らで聞いているような感じがする。
友だちとの関係性や距離感
自分のことを好きになれない
コンプレックスがある
自分を責めてばかりいる
自分に自信が持てない
著者が抱えている悩みは、心の病を患っていない人も大なり小なり、悩んだことがあるものだと思う。
著者ほど深く苦しんだりはしていないけれど、似たようなこと考えたことがある。
自分のことを愛する。
自分のことを大切にする。
これは、他人との関係を構築するうえで基盤になるものだと思う。
でも、自分のことって、自分自身ではよく分からないことも多い。
心の中で「こうしたい」「こうありたい」と思っていることと、実際の言動が食い違ったり、逆のことをしてしまったりすることもある。
自分自身を縛っていて、息苦しくしている価値観、規範がどのようなものなのか。もやもやするばかりで、はっきりつかめないこともある。
私は、コーチングを学んで資格も取得したけれど、
クライアントさんとコーチングしていて、いつも思うのは、心の中にあるものを「言葉」にして外に出す作業は有意義だということだ。
誰にも話せないと思うような出来事の場合、自分の胸のうちを日記などに文字で書き出して、しばらく時間が経ってから読み返すと、気が付くことがある。頭の中だけでなく、文字にして外に出すので、有効な方法の一つだと思う。
ただ、自分一人でこの作業をすると、同じことを繰り返し考え続けて、マイナス感情にとらわれ続けることにもなりやすい。
信頼して話せる、聞いてもらえる他人がいるなら、話すほうがより効果的だと思う。
病気になるような悩みの場合は、臨床心理の専門家に話す。
自分自身の今後のビジョンや目標を明確にすることができなかったり、
頑張っているつもりだけど前に進んでいる気がしないなど、目標や行動の整理や明確化が必要な場合は、コーチングのコーチに話すのが良いだろう。
著者は、医師とのやりとりを録音し、自分の発言を書き出した。
カウンセリングの内容を改めて振り返ることは、自分自身と向き合う作業になったのだろう。
「自分のことが好きじゃない」「自分のことを愛するのは難しい」と思っている人に、お勧めの1冊。
2021年9月21日火曜日
自分の経験を書くこと【海をあげる】
この著者、すごい。
しかし、なぜ、著者は、こうした自分自身の経験をエッセイに書いたのか。
元・夫や、不倫相手となった友達に対して復讐や、恨みつらみを表明するものでないことは
著者自身が今、沖縄で取り組んでいるという虐待やネグレクトなどで傷ついた若者に向き合う活動の源になっているのかもしれないとも思う。
2021年上半期(4~9月)に、私が読んだエッセイの中では、ベスト1になりそうな1冊。
2021年7月23日金曜日
父と娘の2人暮らし 子育て中のお父さんにお勧めしたい1冊
2021年6月20日日曜日
【オリンピック 反対する側の論理】反対の理由をより深く知ることができる1冊
パラリンピックは、パラスポーツが注目を集める大きなチャンスだ。
ただ、新型コロナウイルス感染症の問題が続いている中での開催は、どうなのか?
開催中止を求める声が大きく聞こえてくる中で、競技の模様を伝えることは、 コロナ禍での開催を全面的に支持している姿勢を示すことになるのではないか?
この1年ほど、本当に、ずっと悩んでいる。
問いの答えは、出ない。
最近、「オリンピック 反対する側の論理 東京・パリ・ロスをつなぐ世界の反対運動」 (ジュールス・ボイコフ、作品社)を手に取った。
反対活動、反対意見を前に、目をふせてはいけないと思ったからだ。
反対する側から、オリンピック・パラリンピックがどう見えているのか。 スポーツについて、どう捉えられているのか知りたかった。
オリンピック・パラリンピックが開催都市や社会にどのような影響を与えているのか。
反対運動が国際的な連携をつくって展開されるようにもなっていること、 アスリートや元アスリートの中にも積極的に政治的な発言をする人がいることなど。
本書を読んで、初めて知ったことが少なくない。
私は、パラスポーツの面白さ、パフォーマンスの素晴らしさにばかり注目していて、
パラリンピックという大会そのものについて、深く考えていなかったのかもしれない。
本書の補章「反対運動からスポーツの非オリンピック化へ」(小笠原博毅氏)の中に、
「スポーツとオリンピックが相容れないという認識は、日本ではなかなか理解されないまま現在に至っている」という指摘があった。
この一言に、私は「パラスポーツが好きだ」という思いが救われた気がした。
2021年5月24日月曜日
【おいしいものでできている】読むとお腹が空く1冊
稲田さんのお店のカレー、食べてみたくなった。
2021年5月18日火曜日
【マイノリティデザイン】「弱さ」を起点に、社会を良くする
本書では、著者自身の経験や実感、広告の実例を交えて、「マイノリティデザイン」の例が紹介される。
スポーツに関しては、 もともと運動音痴で苦手な著者が、視覚に障害がある息子と一緒に楽しめるスポーツはないのか。新しいスポーツをつくれないかと考え始め、「ゆるスポーツ」の考案につながる。パラリンピックで実施される競技や種目とは違う点もあるが、着眼点が面白い。
コロナ禍で生活の仕方が変わったことにより、人それぞれ、これまで気が付かなかった「できない」「難しい」「苦手」な事柄、場面に気づいたのではないか。その気づきを、何か新しい発想や創造につなげることができるのかもしれないと、本書を読みながら考えている。
2021年5月4日火曜日
【福島モノローグ】他人ごとを、自分ごとのように受けとめるには?
2021年4月26日月曜日
【文芸ピープル】英語圏で日本人作家の作品が相次いで出版、「コンビニ人間」は「Human」ではなく「Woman」で
「文芸ピープル」(著者・辛島ディヴィッド)は、最近、日本の作家、特に女性作家の作品が英語圏で相次いで翻訳され、出版されている状況について、
アメリカやイギリスの翻訳者や編集者に話を聞いて、まとめたものだ。
「村上春樹は、海外でも人気」ということは知っていたが、それ以外の作家の作品の動向はあまり気にしていなかったので、興味が沸いた。
若手の翻訳家が出てきたこと、
新しい作品、作風が求められており、韓国や日本の女性作家の作品も注目されていること
大手の出版社ではなく、独立系の出版社から出されていること
などなど、イギリス、アメリカの出版業界の状況を断片的に知ることができて、面白かった。
当然だが、原作をそのまま、日本語⇒英語にすれば済むというものではない。
登場人物の名前が、英語では読みにくい・覚えにくい場合、別の名前に変えたり、
「姑」を、どう表記するか、検討したりしている。
作品のタイトルをどう訳すか、表紙をどうするかは、
書店で手に取ってもらえるか、目をとめてもらえるかに関わることで、当然、重視されている。
村上沙耶香さんの作品「コンビニ人間」
英語翻訳版のタイトルは、「Convenience Store Woman」
本書によると、出版社は、あえて「Human」ではなく、「Woman」を採用したという。
表紙の雰囲気も、日本の書籍とはかなり違う点が面白い。
2021年4月15日木曜日
【<責任>の生成 中動態と当事者研究】「自己責任」って言われるけれど、そこに「自己」はあるのか? 結果の原因は、どこにあるのか?を考えさせられる1冊
能動態、受動態、中動態の話、当事者研究に関心がある人には特にお勧めの1冊。
2021年4月12日月曜日
【なぜ人と人は支え合うのか】他人を支えるのは、自分を支えること
2021年3月24日水曜日
【そして、バトンは渡された】血縁?育てた人?共に暮らしている人?「家族」の定義を考えさせる1冊
2021年3月18日木曜日
【Weの市民革命】より良い社会にするために、私にできること
この社会をより良くするために、私も何か少しやってみよう!と思えたからだ。
本書は、「消費」を通して、企業や行政に影響を与えている市民の活動を紹介している。
例えば、環境に配慮しない企業の製品は買わない。
従業員の雇用格差や賃金の低さが問題になっている企業の工場の誘致に反対する。
アメリカでは、そうした活動が大きな影響力を持ち、企業が当初の方針や計画を転換せざるを得ない例もあるという。
ミレニアル世代(1981年から96年生まれ)、「Z世代」(諸説あるが、97年から2000年生まれ)の世代は、学生ローンを抱えていたり、政治に対する不信感が強くあり、自分たちで社会を変えなければならないという危機意識、モチベーションが高いそうだ。
自分一人だけのためではなく、誰かも含めた「We」のために行動する。
そういう人が一定数に達すると、企業や行政に対しても影響力を持つのだろう。
日本でも、SNSを上手に活用して、自分たちが直面している問題についてより多くの人と共有したり、デモに参加して政府に問題への対応を訴える人は以前より増えているように感じる。
良し悪しがあると思うが、SNSで意見を発信しやすくなり、同じ問題意識を持つ人とつながれる可能性が広がったからだろうか。
ただ、企業や政治を動かすくらいの活動につなげるには、まだまだ工夫や戦略が必要なのかもしれない。
私個人にも、まず、消費者の一人としてできることがある気がしてきた。
2021年3月9日火曜日
【たいせつなこと】大人のための絵本
2021年3月5日金曜日
【かくかくしかじか】こんな大人に出会いたい
2021年3月1日月曜日
【推し、燃ゆ】そういう感じ、分かる
2021年2月19日金曜日
他人と違うことをすることに対する評価
今、自分がいる環境について「窮屈だわ」と思う人は、何らかの自覚があるので、救いがあると思う。
他人や組織を変えるのは難しいので、自分がいる環境について、どう捉えるか。
右肩上がりで経済成長していた時代にはそうだったかもしれないけれど、 今後はそうはいかないかもしれない。
この本のタイトルには「何とかならない時代」と付けられている。
その時代を生き抜くために必要な視点のいくつかを、お二人の言葉から学んだ気がする。
2021年2月13日土曜日
【AX】恐い妻は「恐妻」だけど、どういう妻が「恐妻」?
2021年2月8日月曜日
【アーモンド】他人の感情を理解できない少年が、愛を知る物語
人の感情が分からないという「障害」を抱えた子どもは、どう成長するのか。 成長する可能性があるのか。 著者は、そんな問いを立てて、執筆したのかもしれない。
物語は、主人公の語りで進んでいくが、行間に母親が息子に注ぐような視線の温かさを感じた。 人の温もり、優しさを感じて、ほっこりする一冊。