2017年4月26日水曜日

【「いい人」って、どんな人?】

 

「いい会社」に投資ができる仕組みをつくりたい。
しかし、「いい会社」をどのように定義したらよいのだろう?

鎌倉投信の取締役・新井和宏さんは、著書「持続可能な資本主義」で、鎌倉投信の投資の考え方や仕組みを紹介しています。

鎌倉投信をつくる際に、新井さんがぶつかった悩みは、「いい会社をどのように定義するか?」という課題。

新井さんは、目に見えない「ホスピタリティ」を経営の核としているリッツ・カールトン・ホテルの元日本支店長・高野登さんに相談にいったそうです。

新井さんが「どうしたら、ホスピタリティを定量化できるのでしょうか?」と尋ねたところ、高野さんの答えは簡潔。

「ホスピタリティを定量化してはダメ」というものでした。

高野さんによると、「ホスピタリティは、標準化すると、ただのサービスになる。お客様に出会い、その時々の状況で、目の前の人のために何かしようと思うから感動が生まれる。目の前のお客様に、その時、その場所で、1対1の関係で生まれるのが、ホスピタリティ」ということです。

新井さんは、「指標をつくって画一化しようとすれば、企業は指標を満たそうとするあまり個性を失い、社会から多様性が失われてしまう」と書いています。これが、鎌倉投信が投資をする「いい会社」について定量化していない理由です。

私は、ここで、「いい会社」を「いい人」に置き換えてみたらどうだろう?と考えてみました。

人の場合、「指標」や「定量化」といえるような明確な基準で「いい人」を判断することは少ないかもしれません。

ぼんやりとした価値観や好みに基づいて、「いい人」かどうかを考えているように思います。

もちろん、自分の価値観や好みは大切にしたいものです。

しかし、それらにこだわりすぎると、見えなくなるものもあるような気がしてきました。

つまり、「いい人」も定義してはダメかもしれない。

自分が持っている価値観では測れないものがあることを頭の片隅に置いておき、これまでの人生で経験したことのない事や異質な人に出会った時に、「何かしよう」と思える余地をもっていたいなと考えたりしています。

お読みになりたい方は⇒持続可能な資本主義



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