2017年4月10日月曜日

「ごめんなさい」が言えずに




「ごめんなさい」を言わなくてはならないと、ずっと思っていました。

謝らなくてはならないと思っていた相手は、とてもお世話になっていた方。

その人は、私を浅草に連れて行き、生まれて初めてのどじょうをご馳走してくださった人でした。ついでに神谷バーに寄り、電気ブランを教えてくれました。一緒に原宿でジャズを聴きにいったこともありました。社会に出て間もない私の仕事の愚痴を聞き、アドバイスしてくれたこともありました。

とてもお世話になっていたのに、私が傲慢だったために些細な行き違いがあり、なんとなく距離ができてしまいました。私は原因を相手のせいにして、自分を省みないで過ごしてきてしまいました。

「ごめんなさい」を言わなければならないと思うようになったのは、最近のこと。

気が付いていたはずなのに、それでも連絡を取ることもなく、何となくそのままにしてしまいました。逃げていたのかもしれません。

その人が、逝ってしまいました。

「ごめんなさい」を言えないまま、
「ごめんなさい」を伝えるチャンスさえなくしてしまいました。

書くことで何かが変わるわけではないのですし、

書くことは不適切なことかもしれない。

どこかで「許されたい」という思いの表れかもしれません。

自分が傲慢だったこと、自分が足りなかったことを、胸に刻んでおかなければいけない。

今はそう思うだけでいっぱいです。

最近、読んだ本の中で、アインシュタインの言葉「大切なことは質問をやめないことだ」が紹介されていました。

自分ができなかったこと、やり残したことを、どうするか?
それが今の、私自身への「問い」かもしれません。

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