2021年2月13日土曜日

【AX】恐い妻は「恐妻」だけど、どういう妻が「恐妻」?

 

 主人公は、恐妻を持つ殺し屋・兜。 
 文具メーカーのサラリーマンとして、妻と一人息子を養っている。 
 殺し屋という仕事を辞めたいと本気で思うようになった時、 物語は大きく動き出す。

 私は女性なので、「恐妻」って、どういう妻のことを指すのだろう?と思いながら 読み進めた。 
 兜の妻は、私から見ると、とても「恐妻」には思えない。 
 こういう夫婦って、わりと多いんじゃないのかな。 
 夫婦関係で、こういうやりとりってあるあるで、 「恐妻」と思っているのは、主人公だけなんじゃないのだろうか。 
 裏の業界では知られている「殺し屋」が、妻を恐れているって個性が、 小説を面白くする要素だと分かってはいるのですが、 「恐妻」って、どんな人のことを言うのかは、ずっと気になり続けた。 

 夫からみて妻が恐いと感じられると、「恐妻」といわれてしまうけれど、 妻からみて夫が恐いと感じられると、「恐夫」とはいわないよね。 
 「亭主関白」ということになるのか。 
 暴力ふるうような夫は「DV夫」とか、別の言い方がありそうだし。 

 女性、妻は、優しくあるのが「普通」「理想」で、恐れられるのは普通じゃないから 「恐妻」などとマイナスの烙印を押されるのだろうか。 

「恐妻」というワードが最後まで気にかかってしまった。

 物語には、殺し屋とその友達の友情、父が息子に寄せる思いが描かれている。
伏線もクライマックスでちゃんと効いていて、楽しめる娯楽作品。

 

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