2021年4月15日木曜日

【<責任>の生成 中動態と当事者研究】「自己責任」って言われるけれど、そこに「自己」はあるのか? 結果の原因は、どこにあるのか?を考えさせられる1冊

 

 
 「責任」という言葉は、重い。 

 自分の発した言葉、自分がとった行動が、 特に誰かを傷つけたり、何かを損なったりする結果につながった時、「あなたの責任だ」と言われる。

「責任をとってください」と言われる。 謝罪の言葉を述べたり、金銭を渡すことが発生するかもしれない。 

 でも、そもそも「責任」って何なのか? 

 なぜ、自分の発した言葉、自分のとった行動に「責任」が求められるのか? 

 この本は、「責任」の基盤となっている「意思」について解説する。 

 「自己責任」と言われる時、なぜ、「責任」と「自己」が結びつけられるのかを示してくれる。 

 「自己責任」を言われていることも、よくよく考えてみると、 そこに「責任」はないのかもしれない。 

 結果について、その原因を「自己」に結びつけることが適切でないこともありそうだ。 

 哲学の話だが、著者の対談でまとめられているため、比較的読みやすい。

 能動態、受動態、中動態の話、当事者研究に関心がある人には特にお勧めの1冊。



 

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