2016年11月30日水曜日

動機は、不純でした。



取材の動機は、不純でした。

あなたのことを皆に知ってほしいから、

あなたのことをたくさんの人に伝えたいから、

そんな理由をつけていましたが、

本当の目的は、おそらく、別のところにありました。

車いす陸上の小島将平選手は、自宅で療養生活を続けていました。

がんで友人を亡くしている私にとって、小島の病の再発は、私の心に重く響きました。

私に何ができるだろう?
いや、何もできない。

しかし、このままでもいられない。

自分がどうすべきか迷い、時間ばかりが過ぎていきました。

闘病しながら、陸上の練習を続けていた小島選手の体が

しだいに細くなり、

競技用の車いす(レーサー)に乗れない状態になりました。

迷っている場合では、ない。

私に、何かできることがあるとすれば、

それは、小島選手に取材することしかないと思いました。

「皆に知ってほしいから」

「たくさんの人に伝えたいから」という理由は、

偽りではないけれど、

小島選手を取材した理由は、それだけではなかったかもしれません。

本当の理由は、自分でもまだ、よく分からないのです。

それでも、小島選手から聴いた話を原稿に書きたいと思いました。

ずいぶん時間がかかってしまいましたが

パラスポ!
http://paraspo.info/

に連載「なぜ、君は、走るのか?」を掲載していきます。

今回の取材にあたり、ご協力くださった小島将平氏、

奥さんの美幸さん、ご家族、ご友人の皆さまに感謝いたします。


【なぜ、君は、走るのか】Vol.1
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