2017年12月20日水曜日
プロフェッショナルに共通するものは?
生物学者の福岡伸一先生の最新刊「動的平衡3」に、
「プロフェッショナル」について書かれたところがありました。
福岡先生によると
音楽でも、スポーツでも、ずば抜けた才能を持っている人について、
その才能は、遺伝子、DNAとは関係がないそうです。
DNAには、人を「生かす」ための仕組みが掛かれているけれど、
人を「活かす」ことについては、記載がない。
つまり、親は、DNAではなく、環境を与えているのです。
芸術でもスポーツでも圧倒的な力量を持つ人、
つまりプロフェッショナルと呼ばれるような人について調査した研究があり、
それによると、プロフェッショナルな人の多くに共通点がありました。
それは、一万時間。
幼少時を起点として、少なくとも一万時間、そのことに集中し、
たゆまぬ努力をしていました。
1日3時間×1年で約1000時間。それを10年で、約1万時間になります。
幼い時から、そのくらい集中して、音楽、将棋、スポーツやらを続けることができる
人が、結果として、プロフェッショナルになっているのです。
福岡先生は、
生物学の研究分野におけるプロフェッショナルについて考えており、
本書では、学生たちによく伝えている言葉を紹介しています。
多くの場合、実験結果は予想と異なるが、そこから本当の実験の始まり。
与えられた手続きで、予想通りの結果が得られるのは当たり前。
当たり前のことが起こらない時、どこに問題があるか、
その所在を突きとめる能力を身に着けることがプロになるということ。
さきにあげた一万時間の指摘は、一言でいえば「継続」
続けることがなければ、上達もないと思います。
続けるために必要なことは、何か。
そもそも好きでないことは、長年にわたって続けることは難しいので、
まず、好きであることを大切にしたいです。
他人から見れば、つまらないこと、役に立たないことだと思われても、
自分が好きだと思うことなら、それを大切にして続けたいと思います。
家族の事情や、経済環境の変動によって、
続けることが難しくなることもあるかもしれませんが、
そういう時こそ、環境への適応力が問われていると思います。
生物が環境の変化に対応して進化したように、
これまでと同じ方法ではなく、工夫をしたり、
別の方法で続けることを考えればいい。
福岡先生が、生物学を研究する学生たちに、実験結果が予想通りに
ならなかった時、そこからが「ほんとうの実験の始まり」と言ったように、
やりたいことが、うまくいかない時や、できない時、
既存の方法ではできないなら、
「やりたいこと」を、どうしたら、実現できるのか。
どうしたら、続けることができるのか。
何か一つでも、これまでと異なる方法でやってみたりして、
壁を突破していく力を身に着けるのが、プロってことだと思います。
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