2017年2月16日木曜日

【ありがとう。感謝の言葉は、何を引き寄せますか?】


「感謝」という言葉。
「謝」という文字は、「言」に「射」と書きます。
「射」は「弓を射る」ことですが、ピンと張ったものを放つことで、緊張を緩める意味があるそうです。つまり、「謝」は、言葉を発することによって、緊張を緩め、人と人の距離を縮めるということです。

先日、出張で出かけた九州の地方都市。
「地元ならではの美味しいものを食べよう!」と意気込んでいたのですが、
電車を降りると、駅前にはコンビニさえも見当たりませんでした。

さびれた雰囲気の漂う駅前をきょろきょろしましたが、
「美味しいものを期待するのは、無理かもしれない」という思いが沸いてきます。
諦めたつもりで、夜には居酒屋になるようなお店の引き戸を開けました。
時刻は13時少し過ぎ。
まだまだランチタイムのはずですが、店内は活気どころか、お客さんは一人もいません。「これは、本当に、お店の選択を失敗してしまったかも」という不安に駆られましたが、すぐに、お店の奥から「いらっしゃいませ!」と、元気な声が聞こえました。

カウンターに座り、メニューを眺めていると、
定員さんが勧めてくださったのが、「洋風かつ丼」。
いわゆるB級グルメなのか、地域興しのメニューなのか、この地域でいくつかのお店が「洋風かつ丼」を出しているそうです。

せっかくなので、いただくことに・・・。

ライスの上に、揚げたてのトンカツ。
その上に、出汁を使っていると思われるオリジナルのソースがかけられていました。
少量のパスタも添えてあります。

トンカツといえばキャベツが定番ですが、「洋風かつ丼」は、キャベツをのせず、ソースが各店のオリジナルであることが特徴だそうです。

貸切状態の店内でしたが、「洋風かつ丼」を美味しくいただきました。

お会計を済ませてお店を出ようとすると、
店員さんが籠を差しだして「飴をどうぞ」と一言。

さらに、キャリーバッグに、パソコンを入れたカバン、カメラバッグを下げた私のために、引き戸を開けてくださいました。

「お勧めしていただいたのを選んで、正解でした。美味しかったです。ありがとうございます」とお礼をいうと、店員さんが笑顔で「お気をつけて」。

心が温かくなりました。

ふと、冒頭であげた「感謝」の文字の語源を思い出しました。

店員さんの明るい「いらっしゃいませ!」の一言
「こんなの、あるんですよ」と「洋風かつ丼」を勧めてくださったこと。
帰りがけに「飴を、どうぞ」とサービスし、
引き戸を開けて「お気をつけて」一言。

店員さんの言葉、一つひとつに感じたものは「感謝」。

お客さんの様子を感じとり、言葉を発し、緊張を緩め、距離を縮めているということでした。

緊張しながら入ったお店でしたが、
私は、店員さんと言葉を交わすうち、緊張がほぐれて、居心地がよくなりました。
自然に「ありがとうございます」と、お礼を言いたくなったのです。

「ありがとう」という一言は、感謝をもっとも簡潔に言い表す言葉。

「ありがとう」を言える事を、たくさん見つけられる心でいたいものです。

今日も、「感謝」を大切に。

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