2019年8月25日日曜日

【苦しかったときの話をしようか】「やりたいことが見つからない」理由



「苦しかったときの話をしようか」(著・森岡毅、ダイヤモンド社)は、
ビジネスマンの父が子どものために書きためた「働くことの本質」を伝える本だ。

進学や就職、転職に悩んでいる人には、自分の悩みを整理するヒントがたくさん詰まっている。この本を読めば悩みの答えが分かるのではなく、答えを見つけるために、どうすればよいかが分かる本だろう。

例えば、進学や就職にあたり、自分自身の「やりたいことが見つからない」という悩みは、よく挙げられる。
私自身も、特に「これをやりたい」というものは明確になっていなかった。
「なんとなく、好きか、嫌いか」くらいの判断で、文系か理系か、就職先の業種を選んでいたと思う。

著者によると、「やりたいことが見つからない」という問題の本質は、世間のことをまだよく知らないからではなく、本人が自分自身のことを良く知らないこと。つまり、問題の本質は、外ではなく、自分自身の内側にある。
自分の中に基準となる「軸」がなければ、やりたいことが生まれるはずも、選べるはずもないという。

本書の中では、この「軸」のつくり方が示されている。
これが、進学や就職に悩んでいる人が答えを見つけるために、どうすればよいかを自分で考えていくための手がかりになる。

「若い世代のための本か」と思ってしまう方もいるかもしれないが、私がもっとも面白かったのは「第5章 苦しかった時の話をしようか」で触れられている、著者自身の失敗、苦しかった経験の告白だ。

実際の経験から出てきた言葉は重いし、その経験から得た気づきは、深い。

アドバイスの一つは、自分自身の成長にフォーカスする考え方だ。
これは、世代に関係なく、何歳の方でも、男女問わず、
人生100年時代を前向きに生きていくために役に立つ考え方になると思う。

著者は、次のように書いている。

「今日の自分は、何を、どう学んで昨日よりも賢くなったのか」
その1点を問える自分であればいい。

「できない自分」ではなく、「成長する自分」として自分だけは自分自身を大いに認めてあげてほしい。そうすれば苦しくても、心が壊れる前にきっと相応の実力は追いついてくるだろう。

仕事のキャリアを積むには、時間が必要な部分もあり、若い時から「軸」をつくり、方向性を見定めて努力していくことが有利な面もあると思う。

ただ、ある程度、年齢を重ねている人が、これから努力することについて、遅すぎるということはないと思う。人生をより前向きに生きるために、昨日よりも今日、今日より明日へ向けて、自分を成長させていく。そういう志を持てる自分自身でありたいと思う。







苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」


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