2017年8月3日木曜日

【一度は行きたい美術館】その美術館に行くのは、覚悟が要ると思っていました。でも、 行って観て感じたものは、予想とは異なり、日頃の生活の中で価値あるものを見過ごしてしまっているのではないかということでした。




「一度は、行っておいたほうが良いですよ」

長野県上田市で、地元の方からお勧めされた美術館がありました。

美術館を訪れるのは好きなので、お勧めがあれば、
さっそく足を運んでみるのですが、
その美術館は、そうではありませんでした。

気持ちが重くなり、足が向かなかったのです。

お勧めされたのは、「無言館」。
戦没画学生慰霊美術館だと聞きました。

覚悟というか、気合いを持たないと
観に行けない気がしました。

その美術館に飾られている絵画を観て感じるものを、
ちゃんと受け止められるか。怖かったのです。

「お勧め」されてから
ずいぶん月日が過ぎてしまいました。

ところが、つい先月
上田を訪れた際に、
「無言館に行ってみよう」という気持ちが沸いてきました。

自分を見つめ直す節目かもしれない。
無言館に行くなら、今かもしれない。
そんな気がしたのです。

無言館の建物は、灰色の鉄筋コンクリートで重々しく、
入館する前に、少し緊張しました。
 思い切って扉を開けると、すぐに展示が始まります。

戦争で命を落とした美術学生たちの絵画と、
その絵画の下に、解説として書かれている、
描いた人にまつわるエピソードを読んでいきました。

入館前に抱いていた不安や緊張は、
次第にほぐれていきました。

画学生が遺していった絵画には、
彼らが生きている間に、
目で見て、感じていたものが表わされており、
その一つ一つが輝いて見えたからだと思います。

馴染みのある風景
家族の姿や表情
そうした何気ない場面の美しさ、
素晴らしさがひしひしと伝わってきて、胸を打たれました。

私は、価値あるものを、見過ごしてしまっているのかもしれない。
改めて、そんなことを考えさせられました。

「一度は、行っておいたほうが良い」

私も、やっぱり、お勧めします。

【無言館】

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