会社、学校、趣味のサークル、地域の活動団体などなど、
大なり小なり「組織」に所属せずに、生きていくことは難しい。
組織のメンバーが自分と気の合う人ばかりなら良いが、
たいてい、そんなことはない。
人間関係がこじれたり、組織の目的と活動内容のズレがあったり、
さまざまな問題が内在するのが組織だ。
「だから僕たちは、組織を変えていける」(斉藤徹・著)は、
現代において、どのような「組織」の在り方が求められているか。
組織を引っ張っていくリーダーは、どのようなことを重視していけばいいのか。
などをまとめた1冊だ。
過去の研究などで示された概念やキーワードの紹介が多いので、
この本にざっと目を通して、気になったキーワードを拾っておき、
次に、そのキーワードについて書かれた本を読みこんでいくのがよさそうだ。 組織やリーダーの在り方について学びたい人のためのガイド本、入門書として位置づけられるかもしれない。
私が、この本の中で一番気になったのは、組織に所属する人の「関係」について書かれた章だ。
特に、成功は、組織に所属する「メンバー」ではなく、「場の状態」で決まる
という項で記載されている「心理的安全性」は、今、とても注目されているキーワードの一つだと思う。
他の人の評価を気にすることなく、自分の意見や考えを言えるような(心理的に安全だと思える)場を
つくれているかどうかが、組織の生産性に影響を与えるといわれている。
しかし、上司・部下、先輩・後輩、男性・女性などの関係性がある中で、
その関係性を取っ払って、モノを言える場をどう創れるのか。
心理的安全性がある場が創れたらいいなとは思うけれど、
現実的にはなかなか難しいだろうな。と思いながら読んだ。
個人的には、
「他人」と「組織」は変えるのは難しいと思っている。
変えることができるのは、
自分自身が「他人」や「組織」をどう位置付けるかだろう。
理想的な場・関係性を創るために、
まず、自分ができることは何なのかを考え、
日々の振舞いを変えていくことだと思う。
「どうせ、私が何を言っても変わらない」と不満に思うことが多いかもしれない。
ただ、本当に嫌なのは、「何も言っても変わらない」という言葉を言い訳にして
何もしないで諦めている自分自身かもしれない。
「変わるかもしれない」という希望を抱いて、
小さなことでも取り組み続けることができれば、
結果としてほとんど何も変わらなかったとしても、
満足できるものかもしれない。
本当に変えたいのは、組織ではなく、自分自身だという人は、案外、少なくない気がする。
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