2019年7月1日月曜日

他人とズレてることがもたらす幸せ



今村夏子さんの著書「こちらあみ子」

あみ子は、いわゆる「空気を読めない」子だ。
明確には書かれていないが、知的障害がある。
学校に登校できたり、お休みしたり。
歌を歌ってしまい、教室から保健室に移動したり。
いろいろあるが、あみ子は、いつもありのままで生きている。
あみ子自身は変わらないが、あみ子の周囲、母親や兄が少しずつ変わっていく。

外から見ると、「あみ子」を理解できず、「かわいそう」だと思われてしまうかもしれない。
しかし、あみ子は、自分自身を悲観していない。
あみ子は、ありのままを生きていて、周りが変わっても、それを受けとめて生きている。
あみ子が持っている「強さ」が光る作品だ。

文庫版に収められている「ピクニック」は、
いわゆる「ズレている」人を、見守る立場の視点から描いた作品。
書こうとしているものは「こちらあみ子」と重なるが、角度やタッチを変えて書いたものかもしれない。明るく、微笑ましく感じられる。
「こちらあみ子」を読んだ後に、こちらを読むのがおススメです。




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