2018年12月20日木曜日

絶望した時には、本を。#絶望読書




「部屋の灯りを消して、毛布を頭からかぶって、中島みゆきを聞きたい時がある」

学生時代、同級生の男の子から、こんな話を聞きました。

「…うーん。それって、ますます気持ちが沈まない?」

「いや、だから、いいんだよ」

相手の答えを、「そうなんだぁ」と受けとめつつ、
その時の私には、まったく分かりませんでした。

頭木弘樹さんの著書『絶望読書』を読んで、
頭から毛布を被って、中島みゆきを聞きたくなる瞬間がある人の気持ちが、
今なら、少し、分かるかもしれないと思っています。

著者の頭木さんは、大学生の時に難病を患い、その後、13年間闘病生活をされたそうです。
就職するか、大学院に進むかして、その後は、結婚して、子どももできて・・・などなど
ぼんやりと描いていた人生の「脚本」は、難病によって無理やり「書き換え」なければならなくなりました。

「絶望」は、人によって捉え方が異なるものかもしれませんが、
頭木さんの場合は、難病を患うことにより、「絶望」に陥いります。
絶望に陥っている期間を、どう過ごすか。
その期間に必要になるものが、読書だそうです。

本書では、「絶望」した時に、なぜ、読書が必要か。
その理由が説明されています。

また、「絶望」の期間には、前向きなことが書かれている本や、明るく楽しい本ではなく、「絶望」の本を読むのがよい理由と、著者が読んだ「絶望」の本も紹介されています。

頭から毛布を被って、中島みゆきを聴いていた男の子、
この「絶望読書」について話したら、
「やっと、分かってもらえた?」と返ってくるかもしれません。

本書(文庫)の帯には、こんなキャッチフレーズが書かれていました
「悲しいときには、悲しい曲を」
「絶望したときには、絶望読書を」

なるほどね。

絶望読書 (河出文庫 34-1)







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