2016年1月14日木曜日

人は、都合よく、辛さを忘れて、幸せになる

人は、幸せになるために、都合よくできている。

「幸せ」の「幸」の漢字のなかには、

「辛い」の「辛」があり、

「幸せの中には、辛さがある」と読むことができます。

人は、都合よく生きているので、

幸せの中にある辛さを、都合よく忘れ、

都合よく、思い出すものかもしれません。

詩人の吉野弘さんが、「幸」と「辛」について、次のように書いています。

辛さを持っている人でも、

四六時中、辛さに打ちのめされているわけではなく、

辛さを忘れているひとときもあります。

それをひとつの幸福とすれば、

幸せの中に含まれている辛を、私たちが忘れやすいこととみあっています。

幸と、辛の違いは、ほんのわずか。

そのわずかな違いの間を、生涯、往復しているのが人間なのかもしれません。

幸いの中の人知れぬ辛さ

そして時に

辛さを忘れてもいる幸い

何が満たされて幸いになり

何が足らなくて辛いのか

吉野さんの詩の対比、深いですね。



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