人は、幸せになるために、都合よくできている。
「幸せ」の「幸」の漢字のなかには、
「辛い」の「辛」があり、
「幸せの中には、辛さがある」と読むことができます。
人は、都合よく生きているので、
幸せの中にある辛さを、都合よく忘れ、
都合よく、思い出すものかもしれません。
詩人の吉野弘さんが、「幸」と「辛」について、次のように書いています。
辛さを持っている人でも、
四六時中、辛さに打ちのめされているわけではなく、
辛さを忘れているひとときもあります。
それをひとつの幸福とすれば、
幸せの中に含まれている辛を、私たちが忘れやすいこととみあっています。
幸と、辛の違いは、ほんのわずか。
そのわずかな違いの間を、生涯、往復しているのが人間なのかもしれません。
幸いの中の人知れぬ辛さ
そして時に
辛さを忘れてもいる幸い
何が満たされて幸いになり
何が足らなくて辛いのか
吉野さんの詩の対比、深いですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿