ぼくら このごろ すこしばかり
やさしい気持を なくしてしまったような気がする
ごくたまに きれいな青い冬の空が
みえることがある
それを しみじみと 美しいと思って
みることをしなくなった
早春の道ばたに 名も知らぬ雑草が
ちいさな 青い芽を出している
それを しんじつ
いとおしいと思って みることをしなくなった
まいにち 自分の使う道具を
まるで 他人の目で みている
みがいてもやらない
ふきこんでもやらない
つくろってもやらない
こわれたら すぐ捨ててしまう
古くなったら さっさと捨ててしまう
見あきたら 新しいのに買いかえる
物を大切にする ということは
やさしいこころがないと できないことだった
ぼくらのこころの中から
急速に失われていったものを
いまやっと ぼくらは知った
それは 物をいとおしむこころだ
物のいのちを 大切にするこころだ
ぼくら ついうかうかと 言いなりになって
買っては 捨てていたのだ
捨てていたのは 物のつもりだった
危いところだった
捨てていたのは
捨てさせられようとしていたのは
じつは こころだった
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花森安治さんの言葉です。
物を大切にするということは、
暮らしを大切にすること。
暮らしは、人が生きる毎日のことだから、
暮らしを大切にすることは、
自分の人生を豊かにすることですね。
慌ただしいと、日々の暮らしが粗雑になりがちで反省です。
仕事納めの一日、がんばります。
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