大切なことは、言葉にならない。
それが大切なものであればあるほど、
言語化すると、ちょっと自分の実感とずれてしまう。
実感というのは、本当のところでは言葉にならない。
だから、言葉にして改めて問われると、
「それはちょっと違う」と否定せざるをえない。
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精神科医・名越康文さんの著書に書かれてあった言葉です。
取材をするときに、
心の中に置いておこうと思っていることと、重なりました。
例えば、
スポーツの大会で、
その日の調子や、試合の感想などを、選手に尋ねることがあります。
選手の言葉を、そのまま文字にして、記事にすることもありますが、
「読む人にとって、分かりやすく」という点を考えた時、
選手の言葉をそのまま使うのではなく、
説明を加えることがあります。
説明を加えるためには、
より細かい情報が必要なので
「それは、具体的にいうと、どういうことですか?」
「それは、○○というようなことですか?」
など、選手に質問を重ねます。
選手から「わかりやすい言葉」で説明していただき、
私は、その言葉を拾ってまとめているといえます。
でも、こういう時に、ふと思うのは、
「ズレてしまうかもしれない」ということ。
分かりやすい言葉にしてもらうことで、
選手が本当に感じていることとは、
ズレてしまうかもしれない。
ということです。
「大切なことは、言葉にならない」
実感と、言葉の間にあるもの。
意識しておきたいです。
一方で、
「言葉にすること」に価値があるとも思います。
言葉にすることで、
自分が感じていることを確認できることがあるからです。
他人に理解してもらうために、言葉にして伝えること。
そのスキルも大切ですね。
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