テニスの錦織選手は、その一人でした。
その人の持っている「強さ」かもしれないけれど、
その「強さ」の裏には、実は、「弱さ」があるのかもしれません。
強い人は、自分の弱さを知っている。
だから、強くならざるを得ない。
そんなことを感じた文章を思いだしました。
サッカーの元日本代表・中田英寿選手と、
作家の村上龍さんの対談集「文体とパスの精度」(集英社文庫)
のあとがきに、
「個人が生きていくためのスキル」をテーマにした対談が
おさめられています。
中田選手は、村上さんとのやりとりで、
自分自身について、次のように話しています。
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強い人というより、強くならざると得ないというのが正しいですね。
僕は、そういう意味では「弱い」といったほうが正しいのかもしれない。
(すごく傷つきやすかったり、柔らかかったりするから)
そのぶん、武装というか、いろいろなものを身につけて
ひとりでどうにかやっていかなくてはいけないから、
強くならざるを得なかったというのが正直なところです。
自分でいうのも何だけれど、もともとセンシティブだと思うし、
それと昔から意志が強かったというのもあるだろうし、
自分のやりたいことをやるためには、
それなりのものを身につけていかなきゃいけないといつも思っていた。
そういうことをいつも考えていたから、それが徐々に徐々に自分に
身についていったということだと思います。
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強くなろうとするのではなく、
弱さを見つめることで、自然に強くなる。
そんなことかなと思います。
■写真は、多摩産のしまらっきょう。素材のパワーを感じた一品でした。
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