「意見がある方は、出してください」
そんな呼びかけをした人の顔を見て、
「意見はあるけど、出すのはやめておこう」と思ったことがある。
頭の中に意見は持っているけれど、それを出すことで、どうなるか?を想定し、
自分にとって得にならないな、損することになるかもしれないと思ったからだ。
「黙っておいたほうが得」という判断だった。
結局、誰からも何の意見も出ずに、その集まりは終わったが、
気持ちのもやもやは残った。
「意見がない」という状態は、「異論がない」ということになり、
意見を求められた原案通りになるだろう。
変更や改善をしたほうがよい点を指摘する意見を出し合って、
よりより案にまとめていく可能性はなくなったからだ。
では、「意見を出したほうが良かった?」と自問したが、
私の答えは「ノー(No)」だった。
「意見を出してください」と呼びかけた人は、
自分がまとめた原案どおり、進行したい人だ。
だから、もし意見を出したとしても、
「そんなことをしても意味がない」
「一部の人にしか受けない」
「そんなのは、売れない」
理由や根拠をまったく示さずに、
他の意見を潰す姿が目に見えた。
意見を出したら、意見を出さなかったことによるもやもやよりも、
さらに不快な気持ちになりそうだった。
『問いかけの作法』(安斎勇樹・著)は、職場のチームで、メンバーの魅力や才能を引き出す「問いかけ」を学べる1冊だ。
「問いかけ」は、質問の仕方だ。
具体的な問いかけの例を見ていると、「ああ、こんなふうに言い換えられたら、話しやすくなるなぁ」と思えるものが多い。
会議の場で、意見を出しやすくなる気もする。
一方で、そもそもこの本を手にするのは、
会議を活性化したいとか、部下やチームのメンバーに問いかけて意見や提案を引き出したい
と思っている人なんだろうなぁと思う。
https://amzn.to/36R1tVN
0 件のコメント:
コメントを投稿