他人に優しくするにはいろいろな方法がやり方がありますが、
「ほっといてあげる」というのは、その中でも一番難しい接し方です。
でも、適切な仕方で、「ほっといてもらう」ことほど、
人間にとって心休まることはないのです。
単に「ほうっておく」ではなく、
「ほっといて『あげる』」
「ほっといて『もらう』」。
言葉づかいからも分かるとおり、
それが、敬意の応酬であることは、双方にちゃんと意識されています。
ほんとうに親しい人たちの間では、ときには、「何もしない」ということが、
貴重な贈り物になることもあるんです。
でも、こういうことには、「コミュニケーションとは、贈与である」という、
ものごとの基本が分かっていないと、なかなか理解が及ばないでしょう。
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内田樹さんの著書に、
「家族を基礎づけるもの」という題で書かれたものがありました(一部改変)。
家族や友人など、親しい人との距離感、
離れ過ぎると寂しいし、
近すぎては窮屈に感じてしまいそうです。
お互いに、相手の状況や気持ちを察しながら、
適度な距離感を保っていくということに
なるのでしょうか?
「何もしない」というのは、
本当に「まったく何もしない」ということではなく、
直接、話したり、一緒に行動したりはしないけど、
相手のことを心の片隅に置いて、気にかけている。
そんな状態なのだと思います。
イイ感じで、「ほっとおいて『あげる』『もらう』」ができたら、素敵だな。
と思います。
先日、俳優・三国連太郎さんがお亡くなりになりましたが、
三国さんが出演されていた「人間の約束」という作品を思いだしました。
認知症、介護、家族の在り方、生き方…などのテーマを含んだ作品で、とても重いのですが、学生の頃にビデオで観て、「家族」について、いろいろ考えさせられた作品の1つです。
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