芥川賞受賞作品「推し、燃ゆ」
まず、タイトルから魅かれて「面白そう」だなと思っていた。
「推し」とは、アイドルや俳優などで、自分が一番応援している対象人物を指す。
「燃ゆ」とは、燃える。つまり、インターネット上で「炎上する」(批判などが殺到して、収拾がつかなくなる)ことだ。
自分の推しが炎上するという出来事は、小説の世界だけでなく、現実に起こるかもしれないと思わせる。
そして、読者の私と、主人公のあかりとは、10代の時の社会背景も、家庭環境も異なるのだけど、あかりが感じているものを自分も10代の頃に感じたことがあったような気がしてくる。
主人公と「そういう感じ、分かる」と共有する感覚を持った。
「テーマ」は大事だけど、そのテーマを伝えるうえで、いかにディティール(detail)を描くかが大事だなと、改めて思った一冊。
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