2019年9月19日木曜日

【コトノネ 31号】それを聞いて、何を思う?



「水俣病」と聞いて、何を思いだしますか?

私が、まず、思い出したのは、小学校の社会科で教わった代表的な「公害」であるということ。
教科書か副読本に掲載されていた水俣病患者のモノクロ写真に衝撃を受け、「怖い」と思ったことでした。

「怖い」という印象が強く残っていたのか、これまで、水俣病について積極的に知りたいと思うことはありませんでした。

季刊誌「コトノネ」31号の特集は、『水俣病は、どっちだ。「もう、終わった」「いや、はじまってもいない」』というタイトルでした。
水俣病患者や家族、支援者に取材してまとめたものです。

毎号、特集を楽しみにしているのですが、
今回は「水俣病」を取り上げると知り、私は社会科で習ったとおり、辛く、悲しく、重たい話が出てくるだろうと構えました。
まず、「読むぞ!」という気合が必要で、背筋を伸ばし、頁をめくりはじめました。

特集の写真の被写体となった方が、著名な写真家アイリーン・ユージン・スミス氏に撮影してもらった写真が一番好きと話して、コトノネ取材班のカメラマンさんにプレッシャーがかかったことなど、ほっこりするエピソードが散りばめられており、読み進めるうちに、気合や緊張は要らなくなりました。

「水俣」は「福島」に重なるかもしれない。
自分が暮らしている地域でも起こりうる、自分自身の問題になるかもしれない。
もし、自分の身近に「水俣病」が存在したら、どう生きていけるだろう?

そんなことを考えました。

支援者の患者に向き合う姿勢が興味深く、
特集内で参考として紹介されていた書籍を読んでみたいと思っています。

このほか、「コトノネ」31号のぶっちゃけインタビューは
『「数学」で「障害」を解く』と題して、独立研究者の森田真生さんが登場。
面白い切り口の企画インタビューでした。

特集2の「商売で、人を生かす」は、
取り上げられている事業所の施設長の考え方、理念には、読者の多くが共感するものに違いないと思いました。

誰もが共感するような素晴らしい理念を貫いて実践できる組織と、実践できない組織を分けるのは、何なのか。福祉の事業所に限らず、民間の企業にも共通することだと思いますが、気になりました。

今回の号も、盛りだくさんの一冊です。

コトノネ vol.31

#読書#読書好き#福祉#障害者#コトノネ


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