犯人の一人と思われる人物の似顔絵は、「キツネ眼の男」。
昭和の記憶として残る、あの事件。
「グリコ・森永事件」を覚えているだろうか?
小説「罪の声」を読むと、おぼろげな記憶をよみがえってくる。
あの事件を機に、お菓子が透明のセロファンで覆われるようになったこと。
子どもながら、どこで、誰が、被害者となるか分からない不安に怯えた。
お菓子に毒を盛るという行為は、消費者を含めた不特定多数に対する脅しだった。
この作品は、前半が、特に面白い。
自分の家族が犯罪に関与していたかもしれない。
無意識に、自分自身も関与させられていたのかもしれない。
そんな疑惑が浮かんでくる。
そのきっかけとなるのは、自分の「声」が録音されたテープの存在だ。
「作者は、本当は、ノンフィクションを書こうとしていたのでは?」と思うほど、
実際におきた事件の資料を基にストーリーを作っている作品だ。
昭和に生まれた人なら、
どこで、どんなふうに、あの事件の報道を見ていただろうか。
事件について、犯人について、どんなことを思っていただろうか。
などと、記憶を掘り起こしながら読み進めるに違いない。
原作と比較して、どんな映画に仕上がるのかも楽しみにしたい。
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