この本に出会えてよかったと思う一冊。
2019年1月からの上半期ベストワンになるかもしれない。
東畑開人さんの「居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書」は、「デイケア」で起こっていること、そこで提供されているケアとセラピーを解説している。
デイケアで働く専門職の役割や考え方、東畑さんが行う心理士としての仕事などを、事件や失敗談も交えて紹介している。
「デイケア」は、そこで過ごした経験がない人には、その場の雰囲気を想像することが難しい。医療とも介護とは異なる、ケアとセラピーの領域は、あまり知られていないと思う。
この1冊を読むと、「デイケア」で働く人の仕事がどのようなものかを知ることができる。
なぜ、「デイケア」が必要なのか。
なぜ、職員が次々と退職するのか。
なぜ、「ケア」に携わる人の賃金が安いのか。
著者の体験を基に書かれているだけあって、「デイケア」を取り巻く根深い問題が浮き彫りにされていると思う。
これほど面白い学術書は、初めてかもしれない。
「居るのはつらいよ」
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