2025年5月15日木曜日

【いつか中華屋でチャーハンを】中華屋で定番以外のメニューを追求



 店のガラス扉に貼られた「冷やし中華」の文字が目に入った。

自宅と最寄り駅の間にある小さな中華屋さん。

10人も入れば満席になりそうな店舗で、扉に貼られた「冷やし中華」のポスターがやけに目立っていた。

 

中華屋のメニューといえば、チャーハン、ラーメン、餃子、麻婆豆腐、天津飯など、さまざまなものが思い浮かぶ。その中で、冷やし中華はどの程度の人気があるのだろう。ラーメンやチャーハンなどの定番メニューには及ばないが、そこそこの人気はあるのだろうか。

 

「冷やし中華はじめました」

「冷やし中華あります」

お店が提供開始を大々的にアピールすることで、需要が喚起されるのかもしれない。

季節を問わずいつでも注文できるわけではなく、夏季限定メニューである点は特別感がある。

 

冷やし中華と比べると、それほどメジャーではないが、特定の地域ではよく知られていたり、食べられている中華屋のメニューがあるらしい。

 

「いつか中華屋でチャーハンを」(増田薫・著)は、町の中華屋さんのメニューを追求した漫画エッセイだ。

バンドマンの増田さんは、知人から「中華屋にあるカレーを食べてきてみてよ」と言われたことをきっかけに、定番ではない料理が気になりだす。

「あんかけカツ丼」「中華うどん」「ダル麺」などなど。それぞれの料理の発祥を探ったり、有名店を食べ歩いて、調理法や材料の違い、味の感想などを交えて、漫画で紹介しているのがこの本だ。

 

紹介された料理のほとんどを知らず、食べてみたことがないものばかり。

地方出張する時には、町の中華屋さんを調べて行ってみようかとも思っている。

 

「いつか中華屋でチャーハンを」という本書のタイトルは、町の中華屋さんで出されている定番以外のメニューにこだわり、追求している著者の心情をうまく言い表している。

沼にはまってしまって、当面は定番に戻れない感じが漂っていて、面白い。

 

AMAZON 「いつか中華屋でチャーハンを」